
尾州(びしゅう)羊毛再生レーベル毛七(けしち)

1、古い工場で紡がれる、洋服の輪廻転生の様
コテツ 名古屋の一宮に、今回行かれてレポートをしたっていうことなんですけど、これ、もともとはどういう接点ですか。
関 お客様でデニムのジョンブルで働いている方がいて。その方がお直しで来たときに、再生ウールが日本であるという話を聞いて、そのときに初めて尾州っていう言葉を聞いて、名古屋の一宮ですね。日本の織元で、生地の生産の有名な地域。そこで毛七っていう、ウールで70パーセント再生してる生地を作ってるとこがあるよっていうのを聞いて、まじすかっていって、尾州に連絡を取ったのがきっかけでしたね。
コテツ 連絡したんですね。
関 はい。
コテツ そうなんだ。実際、現場に足運ばれたってことですけど、それは、尾州地域にある毛七ショールーム?
関 はい。連絡を取った2週間後ぐらいに、合同展示会があるから、興味あるんだったら、観てみたらと。じゃあ、行きますって、その合同展示会に行って、買わせていただいたっていう。流れでした。

コテツ 実際、工場とかも観させてもらったってことですけど、どんな感じでしたか。
関 その工場は、相当、古いミシンで、今、使ってるところは多分そこぐらい、尾州のそのエリアしかないんじゃないかっていうような、ものすごく古いミシンが何台もあって。そこで、ある機械も、ワタの状態からコロコロ転がして糸にするっていう、ものすごい古い機械とか。綿を単純に引っ張って糸にするっていう、すごい珍しいやつらしいんですけど、そういうのがあったりとか、低速織機って、遅い、空気を入れながらもふわふわに織っていく、またすごい古い機械とかがあって、おじちゃんとかおばちゃんがそこで。
コテツ 再生ウールっていうのは、そもそもなんですけど、使い終わったウールを集めてるんですか。ニットとか。
関 ですね。集めて、叔母様たちが色ごとに分けて、タグ切って・・・。
コテツ 手作業で分けて。
関 手作業でボタン取って、やってると聞きました。
コテツ そうなんだ。色ごとに分けたやつを編み直すんですか。
関 ですね。色ごとに分けてるんで、染色をしないから、水質汚染も防げると。
コテツ すごいな。じゃあ、色ごとに分けて。
関 編み直すらしいです。何か薬剤と化学繊維をちょっと混ぜて、また糸の状態に戻して、ウールを作り直す。その代わり、70パーセントがウールだけど、残りの30パーセント、別に化繊を入れないと、やっぱり強度が良くないっていう話をしてました。
コテツ 生地の値段は?
関 そこまで高くなかったです。
コテツ なるほど。ここは、糸にして再生ウールにしたのを、生地の状態にして売ってるんですか。製品にしてるんですか。
関 製品もやってるみたいです。
コテツ やってるんだ。
関 毛七レーベルという、アパレルのブランドもやってるみたいです。反でも販売もしてるし。最近、問い合わせすごく多いと。テレビだったり取材だったりとか、古着屋さんと組んだり。
コテツ 確かに、捨てちゃうぐらいだったら編み直せばいいですもんね。
関 そうですよね。それもう、50年以上前からずっと、尾州のエリアでは、再生ウールをやってるんですけど、やっと日の目を浴びたと言ってました。
コテツ そんな昔から?
関 日本では気候の問題と羊が食べるエサの問題で家畜にはむかなかったようで、欧米に比べると羊毛が貴重だったようで、再生して作ろうっていう歴史はずっとあったみたいです。
コテツ これとかもあれですか。編んでる感じですか。
関 これもそうですね。おじちゃんとおばちゃんが、何か。
コテツ 確認しながら?
関 確認しながら編んでましたね。

コテツ 意外とでかいですよね、これ、工場が。
関 工場自体はすごく大きかったですね。ずっとミシンの音が、響いてました。
コテツ じゃあ、再生ウールを30%化繊入れたら、最後は反物になってるんですか。
関 反物になってましたね、はい。普通の生地の状態で。
コテツ あれ、もう仕入れましたっけ。
関 もうあります。
コテツ ありますか。それ、後でちょっと写真も撮って。それで、その反物でジャケットとかができそうな感じなんですか。
関 そうですね。ジャケット出来そうです。今サンプルで、実はパンツを幾つか、その生地を使ったもので、僕たちのオリジナルみたいな感じで、今、パンツのサンプルを頼んでるところです。
コテツ パンツも出来そうですか。
関 パンツも出来そうです。本来はパンツを作る生地では。
コテツ ない?
関 ないんですけど・・・。
コテツ でも試してみてる感じですか。
関 ちょっと試しに、ふわふわした、ちょっとフランネルっぽい生地で、多分、毛玉になる・・・。
コテツ 秋冬的な?
関 そうですね。雰囲気で着れるのではなかろうかと。ちょっと試しに。
コテツ さっき、関さんのほうから、値段も安いって話ありましたけど、普通に反物としてジャケットとか作ったら、いい生地に比べたらかなり、やっぱり安くはなる?
関 イタリアやイギリスの生地と比較すると値段は安かったです。

関 あと若い人が多くて、意外に。やってる職人たちはおじいさんばあさんが多いんですけど、僕とかを担当してくれた人とか、本当、20代、30代、ぐらいの人が結構、多くて。その若者たちが尾州を盛り上げたいっていうので、合同展示会やったりとか。
コテツ そうなんですね。尾州の地域のそういう合同展示会みたいなのは、若い人たちが結構、頑張ってやって。
関 やってますね。クラウドファンディングもやってて。
コテツ その展示会っていうのは生地の展示会ですか。尾州のそういう、何ていうかな。
関 毛七以外にも織元がいくつかあって、その。
コテツ じゃあ、アパレルのみんなと素材系のものを。

関 そうですね。10社ぐらいが来てる展示会を、その工場の中でやるっていうのに行かせてもらった。
コテツ じゃあ、東京からも人とかが結構、行って?
関 いたと思いますね。3班ぐらいに分けて。それ、2日間ぐらいだったので、多分、全国から来てたみたいです。
コテツ 若い人たちが音頭取って、技術っていうか、こういう取り組みを大事にしてこうみたいのをやってる感じなんですか。
関 やってました。
コテツ 分かりました。じゃあ、また、パンツとジャケットが出たら載せるとして、再生のものを使うのも、今後もチャレンジ?
関 していきたいです。
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